更新日2019/09/05

命題と証明

要点

命題と条件

正しいか、正しくないかが明確に決まる文や式を命題という。
命題が正しいことを真、正しくないことを偽という。
命題は2つの条件p, qを用いて
「p ならば q」
の形に表されるものが多い。 これを記号で
p q
と表し、pを仮定、qを結論という。
さらに「pならばq かつ qならばp」を
p qと表す。

命題と集合

条件pを満たす要素全体の集合をP, 条件qを満たす要素全体の集合をQとすると
p qが真ならばP⊂Qが成り立ち、
P⊂Qが成り立つならばp qは真である。
「p qが真」 「P⊂Qが成り立つ」
またp qとP=Qには次の関係が成り立つ
「p qが真」 「P=Qが成り立つ」

条件の否定

条件pにたいして「pではない」という条件を「pの否定」といい、pとあらわす。

「かつ」「または」

条件pを満たす要素全体の集合をP, 条件qを満たす要素全体の集合をQとすると
pは補集合 Pとなり、
「pかつq」は共通部分 P∩Q、
「pまたはq」は和集合 P∪Qとなる。


ド・モルガンの法則から
P∩Q = PQ , P∪Q = PQ なので
p かつ q p または q
p または q p かつ q

必要条件、十分条件

命題p q が真であるとき
qはpであるための必要条件、
pはqであるための十分条件 という。
p q十分  必要
また、p q と q pがともに真のとき、つまり p qが真のとき
p は q (q は p) であるための 必要十分条件という。
このとき 「pとqは同値である」 という。

命題の逆・裏・対偶

命題 p q に対して
q p を逆
p q を裏
q p を対偶

という。


条件pを満たす要素全体の集合をQ, 条件qを満たす要素全体の集合をQとする。
「p q が真」のとき、P⊂Qなので、次の図のようになる。
U P Q
図からわかるようにQの要素であってPの要素でないものもあるので
命題の逆 q p が真とは限らない。
ところが Qの補集合QはPの補集合Pに含まれる。 QP
よって q p は真である。
つまり
「命題の真偽とその対偶の真偽は一致する。」
このため命題を証明するにはその対偶を証明してもよい。

背理法

命題が成り立たないと仮定すると矛盾することを導き、それによって命題が成り立つことを示す。
この証明法を背理法という。

例題と練習

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