更新日2019/09/05

鈍角の三角比

要点

三角比の拡張

θ r x y
sinθ = yr , cosθ = xr , tanθ =yx
三角比はx,y, rが直角三角形の辺の長さで定義されており、θは鋭角である。
この定義を拡張して、θが鈍角のときにも使えるようにする。
座標平面上に原点を中心とした半径rの半円をかく。
P(x, y) r θ x y O Q A B
第1象限の円周上に点P(x,y)をとる。
点Pからx軸に下ろした垂線の足をQとすると△POQは∠PQO=90°の直角三角形になる。
∠POA=θとすると上記定義からsinθ = yr , cosθ = xr , tanθ =yx となるが、
このときx, yを辺の長さではなく、座標とすることで0≦θ≦180°となる角θについても三角比が定義できる。

原点を中心とする半径rの円周上の点をP(x,y)、 ∠POA=θとする。
A B O P(x, y) r θ x y
sinθ = yr , cosθ = xr , tanθ =yx

このとき半径1の半円を使うと
sinθ=y, cosθ=x, tanθ=yxとなる。

鈍角の三角比

A B O P(x, y) r θ x y
θが鈍角の時には点Pは第2象限なのでx<0, y>0となる。
つまりsinθ>0, cosθ<0, tanθ<0となる。

例 150°
A B O 150° 1 P 2 2 3 1 x y
半径1の半円で、θ=150°とすると 点Pの座標は(−32, 12)
するとsin150° = 12 , cos150° = −32 , tan150° = −13


三角比の値の範囲
0≦θ≦180°のとき
0≦sinθ≦1, −1≦cosθ≦1, tanθはすべての実数値をとりうる。

180° − θ

半径1の半円上に∠AOP=θ、∠AOQ=180−θ となるような点PとQをとると、PとQはy軸に対して対称 となる。よってP(x, y)とするとQ(−x, y)である。
θ 180-θ P(x, y) Q(-x, y) O A B x y
sinθ=y, cosθ=x, tanθ= yx
sin(180−θ) = y, cos(180−θ) = −x, tan(180−θ) = −yx
したがって
sin(180−θ) = sinθ 
cos(180−θ) = − cosθ
tanθ = −tanθ

例題と練習

問題

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